ハッスル・リポート
全員協議会での市長発言
 ここでおわかりいただけるとおり、経常的経費の部分に手をつけなければ、臨時的な事業さえ予算化できない状況であり、 平成8年度から取り組んできている第一次、第二次の行財政改革とは異なるアプローチをしていかなければ 東久留米市の行財政体質を改善できないことは明白であると考えます。
 以下、今後、何を、どうしようとしているのかについての私の考えを表明させていただきます。

 8月18日の庁議において、平成16年度経営方針を定めました。 この方針は、行財政改革推進本部の議論を経て確認した施策の方向を踏まえ、平成16年度に採る行政改革・財政改革の方向性について、 市長が、市の経営者として各事業部に示すもので、平成16年度予算編成のベースともなるものであります。
 この中で、私は、市政の構造改革の3つの視点とその方向を示しております。 詳細は配付しています資料「平成16年度経営方針」をごらんいただきたいと思いますが、視点としては、
 1つは、施策、事務事業をこれからの時代に見合ったものに再構築する
 2つ目は、仕事の仕方を変える
 3つ目は、現場主義に基づく成果重視の執行体制に変える
であります。

 その上で、16年度の市経営の基本的考え方を、行政改革と財政改革に分けて述べております。
 行政改革は「行政評価制度の着実な運用を通じて成果重視主義への意識改革と事務事業の見直しをする」こと、 「共通業務運用指針の徹底によるサービス提供システムの見直しを行う」こと、「協働の指針、ルールを確立し、 協働領域の事務事業の協働化を推進する」こと、そして、本年4月、5月に各事業部に検討を指示している『各部の課題』を精査し、 課題解決に向け積極的な取り組みを行うこと、を示しています。
 財政改革では、「予算編成手法を変更し、枠配分方式を拡大・深化させるとともに、適正な執行管理を徹底する」こと、 「事業部が主体的に行った行政評価の結果を踏まえた事務事業の改善・改革を実行する」こと、 3つ目に「財政フローの改善だけでなく、財政ストックの改善を図る」ことを示しました。
 これらを着実に実行することにより、当面の目標として、 平成18年度予算では財政調整基金に依存しなくても予算が編成できる行財政体質に転換してまいる考えであります。 これを遂行していくには多くの困難も予想されます。しかし、その先には、市民生活に必要な行政サービスを安定的に提供でき、 安全・安心のまちづくりに邁進できる行財政体質が調うものと確信いたします。

 改革の具体的な柱は
 1.共通業務運用指針の徹底
 2.行政評価(施策評価)結果に基づく、施策意図の実現手段の見直し
 3.成果重視を目指す制度の整備
であります。

 1つ目の共通業務運用指針は、本年1月21日に庁議決定したもので、補助金制度に係る指針、受益者負担の適正化指針、 多様な経営資源の活用(アウトソーシング)に係る検討指針、及び審議会等の設置等に関する指針の4つで構成されており、 平成17年度までに各事務事業に反映させることとなっております。この徹底を図ってまいります。

 2つ目の行政評価(施策評価)結果に基づく施策意図の実現手段の見直しは、一連の行政改革、 財政改革を遂行していく上で根幹をなすものであります。 これを遂行することにより東久留米市の行政サービスのスタンダードを確立したいと考えています。 このたびの評価結果は、本格導入1年目ということから、まだ不十分さはあるものと思いますが、これに基づく見直しを行います。
 資料としては「施策評価を踏まえた今後の施策展開について」の2枚目、 「シート『施策の優先度評価』」をご覧いただきたいと存じます。

 施策の優先度評価の結果、このシートの左側の列の上段と真ん中の列の上段――施策の成果水準が近隣市と比較して高く、 かつ、施策成果に対する市の自主裁量余地の大きいものと中程度のもの、及びシートの左側の列の中段――施策の成果水準が近隣市並みで、 かつ、施策成果に対する市の自主裁量余地の大きいものを当面の改革・改善の対象といたします。
 同時に、施策の成果水準が低く、かつ、市の自主裁量余地が大きいと評価された「協働体制の構築」「健全な財政運営」 などの施策は優先的な取り組みを行う施策として位置付けて、関連施策の成果を上げる方向での取り組みを行ってまいります。

 特に「40 健全な財政運営」については、特別会計の赤字を補填するために一般会計から繰り出している額が、 一般会計そのものを圧迫しているという事実を踏まえ、 国民健康保険特別会計と一般会計との秩序のあり方についての考え方を示した平成7年9月の東久留米市行財政調査会第2次報告を参考に、 赤字補填のための一般会計からの操り出しのルールを定めたいと考えています。

 当面の改革・改善の対象とする15施策は、1.時代の変化に対応しきれないままになっているもの、 2.行政の役割、市の施策の範囲・水準に関わるもの、に分類できます。

 時代の変化に対応しきれないままになっているものについては、 施策に連なる事務事業の成果の施策意図に対する貢献度を評価・検証した上で、成果の乏しいもの、 時代に合わないものは休止・廃止を含めて抜本的に見直し、再構築を行います。
 たとえば、「41 窓口サービス提供体制の改善」という施策では、出張所のあり方が挙げられます。
 出張所は、交通の利便性が現在と比べ著しく悪かった時代に、公団住宅が市の縁辺部に立地する際、 そこに住まわれる方々の利便のために設けた施設であります。 その後の交通事情の改善、通信技術の飛躍的な向上、行政サービスの複雑・多様化という状況変化の下では、 設置当初に果たしていた役割は大幅に低下してきていると考えられます。このため、出張所は評価・検証の対象にしたいと考えています。

 行政の役割、市の施策の範囲・水準に関わる施策については、施策の意図、成果目標を変えることなく、 達成するための手段の工夫、変更によって、新たな行政サービスのスタンダードの設定とコストの削減を図ります。
 具体的な例として「7 子育て支援の推進」で申せば、「子どもが健やかに成長できる環境をつくる」という意図の下に、 49の事務事業があります。この49の事務事業の平成14年度決算額は42億959万1000円、 15年度予算額は47億5226万3000円であります。
 この中には幼稚園、保育園、学童保育所、児童館に関わる事業も置かれています。

 幼稚園については、平成9年8月の幼児教育対策協議会答申では「市立幼稚園の『補完的な役割』はその使命を終えているので廃園することが望ましい」とされており、 市立幼稚園の廃止を含めた抜本的な見直しを行います。

 保育園については、市が施設を設けて公務員がその任に当たるのではなく、 民間(法人、団体、個人)の力を活用して施策目標を達成することを目指して、公設民営方式など、新たな方式に転換するものとし、 平成18年度に建て替え更新するひばり保育園から適用します。
 同時に、ファミリーサポートなど施設を必要とせず、地域との連携、市民の活力が期待できる分野の事業は充実させてまいります。

 学童保育所、児童館については、その運営に公共的団体や地域の力を活用することを目指し、平成18年度に開設予定の仮称ひばり児童館は新たなサービス提供体制を整備してまいります。
 こうした施策意図を実現する手段の変更により、いま以上の経費を投入することなく待機児解消などの課題に対処していく考えであります。

 また、「8 義務教育の充実」という施策で言えば、いわゆる三事業の1つとして東久留米市政の懸案課題となっております中学校給食についても、 教育委員会からの検証を踏まえた申し出を受け、「学校給食法に基づく給食の実施」という目標の具現化手法を、 多様な経営資源の活用を図るという視点から変更いたします。
 すなわち実施計画で想定しておりました「グループ調理弁当併用方式」から、市の栄養士が作成する献立に基づき民間調理業者が調理・盛付け、 配送する給食と家庭でつくる弁当のどちらかを選択できる「弁当併用スクールランチ方式」とすることにより、 コストを削減して『中学校給食の実施』という目標を達成しようということであります。

 3つ目の柱の、成果重視を目指す制度の整備については、努力し成果を上げた者が報われる人事給与制度を目指すものであります。
 給与面では、勤務成績評価に応じた勤勉手当の支給や、高齢職員の昇給停止、懸案であります東京都給料表への早期移行を目指すとともに、 任用面では、職員からの申し出による降格の制度化や、改正地方公務員法に基づく再任用制度の導入を図ります。
 これらにより、行政自らも、コスト意識の徹底の上に、スピードと成果を重視し、諸課題に戦略的に取り組む体制をつくります。

 以上、今後、市の行財政体質の改革に向けて採るべき方策の柱を申し上げました。
 こうしたことを実現していくためには、市議会の皆様方のご理解とご支援が不可欠であります。 平成18年度には経常赤字体質から脱却し、その向こうには市民生活に必要な行政サービスが安定的に提供でき、 かつ、安全で安心して住めるまちづくりに邁進できる行財政体質に改善できるよう全力で努力してまいりますので、 皆様方のご理解とご支援を重ねてお願い申し上げます。

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